予防歯科とは
皆様は治療が終わった後に、また虫歯や歯周病になって、歯科医院で治療を受けた経験はありませんか？
もし、そういう経験があるなら、定期的な検診や予防処置がちゃんと活かされていないのかもしれません。
予防歯科の重要性を感じていらっしゃる方でも、ご自分のお口のリスク（虫歯や歯周病のなりやすさ）を知らなければ、予防しようがありませんよね。
予防処置ですから、お口の環境が悪くなる前に定期的に行っていくことにより、健康なお口の状態を保つことができます。
あまり知られていませんが、実は初期の虫歯は痛みを感じませんし、歯周病も歯が揺れてくるまで気づかないことが多いのです。ですから、痛みが出たり、歯が揺れたりして歯科医院に訪れると、予想以上に治療期間がかかることはよくあります。
当院では治療終了後、3ヶ月ごとのメンテナンスをお勧めし、リスクの少ない方には間隔も少しずつ長くしながら、皆様のご負担が少なくなるように進めていきます。
検診の主な内容
・口腔内歯科検診
・口臭検査
・デンタルクリーニング、PMTC
・フッ素塗布
フッ素と虫歯予防
1.口の中でフッ素が虫歯菌の繁殖を抑制します。
2.歯の硬い成分は、ハイドロキシアパタイトといいますが、フッ素が入ることにより、
これが、フルオロアパタイトに変化して、これが虫歯菌の酸に抵抗性を示します。
3.口の中では、虫歯になりかけています。ですが、口の中のカルシウムやリンが補充されて再び、
わずかな虫歯が治っています。このような作用を再石灰化といいます。
この再石灰化作用をフッ素は促進します。
もちろん、虫歯が大きくなってしまっては治りません。
フッ素の効果的な使用方法
二種類以上のフッ化物をひようすることは、一般的に相乗効果をもたらします。
一日の生活時間帯によって応用メニューも変わってきます。
1.プロフェッショナルケア（診療所・病院）
2.ホームケア（セルフケア・家庭）
3.コミュニティケア（地域・学校・職場・施設）
フッ素を活用して、長く自分の歯でかめるようにケアをしましょう。
フッ素の正しい使用方法
歯周病とは
初期ならブラッシングで治せるのに・・・
歯垢（プラーク）から放出される毒素によって歯肉や歯槽骨が徐々に侵されていくのが歯周病です。
歯周炎
歯肉が赤く腫れる。浅い歯周ポケットができる。
この程度であれば、歯科医師の指導を受けて入念にブラッシングすればよくなります。
軽度の歯周炎
歯磨きのときなどに歯ぐきから血がでる。痛みはない。
ブラッシングに加え、歯周ポケットの中の歯垢（プラーク）や歯石を除去する治療などが必要です。
重度の歯周炎
歯周ポケットがさらに深くなり、歯を支える骨が溶けて歯がグラグラに。歯肉はぷよぷよして膿がでる。
これ以上ひどくならない為には、積極的な歯周病の治療が必要です。
このまま放置していると、最後には歯を失うことにも・・・。
歯周病の原因
ステキな笑顔のために、ライフスタイルを見直しましょう。歯周病の予防は、生活習慣病の予防にも繋がります。
歯垢
歯垢（プラーク）は、歯の表面についた白っぽくネバネバしたもの。プラークは食べかすではなく、細菌の塊（バイオフィルム）を形成し、この中にむし歯や歯周病の原因となる菌がひしめいているのです。歯垢1ｇ中の細菌数はなんと約1,000億！！
歯石
歯垢が、唾液中のカルシウムによって硬くなり、歯磨きだけでは取れなくなったものを歯石といいます。歯垢を放っておくとすぐに歯石になってしまいます。
咬み合わせ
咬み合わせに異常があると、お口の周りの筋肉が緊張し、お口が閉じにくく口呼吸になります。お口の中が乾燥しやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
不適合冠
かぶせ物や詰め物の縁と、歯の間に隙間や段差がある場合、そこに汚れが溜まりやすく、歯周組織に悪影響を及ぼしたり、むし歯の原因になります。
喫煙
喫煙者が重度の歯周病になる危険性は非喫煙者の3倍にもなります。喫煙は蓄積性かつ容量依存性で、歯周組織に重大な影響を及ぼすということが証明されています。
歯ぎしり
歯ぎしりをすると歯周病の進行が早くなり、より症状が重症化するとされています。歯ぎしりを指摘された方、または自覚している方は早めに歯科医院にご相談下さい。
しっかりメンテナンスを！！
オーラルケアは専門家とのパートナーシップで
お口の健康を保つためには、ご家庭でのホームケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを両立させることが必要です。
＜プロフェッショナルケア＞
・歯のクリーニング
・歯間のクリーニング
・歯石の除去
・フッ素塗布
・歯みがき指導
・唾液検査、3DSなど
＜ホームケア＞
・歯みがき
・歯間のお手入れ（フロス、歯間ブラシ）
・フッ素入り歯みがきペーストの使用
・洗口剤（うがい薬）の使用
・規則正しい食生活習慣
＜プロフェッショナルケア＞＋＜ホームケア＞＝健康なお口
プラークコントロール（歯垢除去）の方法
歯ブラシは、奥歯に届きやすく、歯と歯の間に当てやすい小さめヘッドのものを。毛の硬さは、ある程度のしなやかさのある、硬すぎないものを。 硬いブラシで力を入れてゴシゴシ擦ると歯や歯肉をいためます。力を入れすぎないように、ペンを持つように。
■バス法
毛先を歯と歯肉の境目に45度くらいに当てて、軽い力で細かく動かします。歯周病予防にお勧め。
■スクラビング法
歯に対して90度に当てて磨く。歯垢除去目的にお勧めの磨き方。
■噛み合わせの面
歯ブラシをまっすぐ立てて、溝から汚れをかき出すように細かく動かします。
■前歯の裏側
歯ブラシを縦にあて、カカトの部分を使って縦方向に動かします。
■デンタルフロス
歯垢が溜まりやすい歯と歯の間に挿入し、上下・左右にこするように掃除します。力尽くで押し込むと歯肉をいためるので、やさしく挿入しましょう。
■歯間ブラシ
歯と歯の間の隙間に通すことで汚れを落とします。歯間に合わせて、挿入した際にあまり抵抗なくスムーズに動かせるサイズを選んで使用します。
歯科医院で、あなたに合ったオーラルケアの方法をアドバイスしてもらいましょう。
