子供の歯科治療
「こどもの歯はいずれ永久歯に生えかわるから虫歯のままほうっておいても大丈夫」なんて思っていませんか?
乳歯が健全か、正しく治療されているかは、後の永久歯の歯列だけでなく、大事な成長期の身体の発育にまで大きく影響してきます。乳歯は痛みだしたり腫れたりすると、治療しても経過が悪いのが現実です。
乳歯はどうせ生えかわるものというのはまちがいです。お子様の正常な成長発育には欠かせないものです。
治療と同時により予防もさらに大切です。
小児歯科治療の前に
歯の治療は大人でも嫌なものです。
大人は我慢できることでもこどもにとっては大変です。特に小さなお子様なら尚更です。
当院ではそれぞれのお子様の性格を理解したうえで根気よく且つ慎重な治療を受けていただけるよう努めております。恐がることはありません、安心して治療を受けに来てください。
(1)受診は午前中がお勧めです。
幼児の治療は体調の良い午前中に受診することをお勧めします。昼過ぎや夕方になると疲れて機嫌が悪くなることが多いものです。
(2)嘘はつかないようにしましょう。
なるべく嘘をついて連れてこないようにしてください。かえって嫌がる原因になります。そのかわり治療の後は、たくさん褒めてあげてください。
(3)身軽な服装をさせましょう。
幼児は歯科治療を嫌がって泣いたり暴れたりすることがあります。汗をかきますので、治療中はTシャツなど身軽な服装にさせましょう。
(4)リラックスさせましょう。
待合室では保護者の方が本を読んで聴かせたり、なるべくリラックスさせるようにしてあげてください。
定期検診を受けましょう
定期的に検診を受けると、最初に受けた年齢が小さいほど虫歯になる確率が少ないというデータがあります。13歳になったときの比較では、7〜8歳を越えて検診を始めた人はそれ以前で始めた人より、2倍くらいの虫歯ができています。
こうしてみると小さい時からの予防がいかに大切かということがわかると思います。
虫歯や歯周病の予防を十分にして、早くから歯を削ったり抜いたりするような治療を受けないですむようにする事が大切です。ご家庭での歯みがき習慣などのケアはもちろんですが、半年に一度は歯科医院で歯科検診を受けられることをお勧めします。そうすることによって痛む前に完治し、咀嚼力を確保できると同時に完治した乳歯が永久歯を正しい位置へと誘導してくれます。
小児歯科、フッ化配合物で歯磨き
生後8ヶ月頃はまだ、歯も生えたばかり。
保護者の方がガーゼのようなもので汚れをふき取るだけで充分です。フッ素は使用しなくてよいでしょう。
また、ブラッシングに備えて歯磨き導入用のラバーなどを使用するのも良いでしょう。
1歳のお誕生には、[寝かせ歯磨き]で保護者の方がナイロンの歯ブラシで歯磨きデビューをしましょう。
ちょうどこの頃から、乳歯も生えてきますから、虫歯のリスクもでてきます。
フッ素は安全性の高い、フォームタイプかジェルタイプがよいでしょう。
保護者の方に注意してもらいたいのはお子様には、フッ化物配合の歯磨き粉を一緒に飲みこまないようにすることです。
2歳になれば、歯科医院でのフッ素を塗布もできるようになります。
自宅での歯磨きは、保護者の方が[寝かせ歯磨き]を行いながら、同時に自分で歯磨きをする、
[練習歯磨き]も必要になってきます。
このときも、フォームタイプかジェルタイプを使用しましょう。
毎日の歯磨きと同様に、歯科医院でのフッ素塗布を行い、虫歯になるリスクを下げましょう。
4歳になれば、30秒間、口の中の水分を飲み込まずに歯磨きをすることができます。
本人が一人で行う[練習は磨き]と保護者の方が最後に[仕上げ磨き]をしてあげしょう。
このときから、ペーストタイプのフッ化物配合の歯磨き粉を使用するのもよいでしょう。
虫歯になりやすいリスクによっても回数は変わりますが、
定期的に歯科医院でのフッ素塗布を行いましょう。
6歳になれば、[練習磨き]から[自分磨き]ができるようになります。
保護者の方は、たまにチェックをしてあげてください。
ペーストタイプを使用し、しっかり歯磨きしましょう。
定期的に歯科医院でのフッ素塗布をお勧めします。
10歳ごろには[自分磨き]ができるようになり、ひとりで歯磨きができるようになります。
この頃から、ペーストタイプのフッ化配合の歯磨き粉を使用しましょう。
大切な歯を守るためにも、しっかりと歯科医院でのフッ素塗布を定期的に行いましょう。
歯科医院でのフッ素塗布は虫歯になりやすいリスクによって変わってきます。
ペースト状の歯磨き剤
ほとんどの製剤がペースト状のフッ化物配合歯磨剤として販売されております。
ジェル状の歯磨き剤
デンタルプラークなど、歯面付着物の除去効果よりもフッ化物の応用を主とした製剤です。
フッ化物イオン濃度500ppm以上で、ダブルフロッシングの手法が望ましい方法です。
泡状(フォーム状)の歯磨き剤
ほとんどが空気による泡である為、同じ体積でみるとペースト状のものよりもフッ化物量が少なくなります。
その為、吐き出しのできない低年齢時の応用に適しております。
※「歯科衛生士」 3.2008 vol.32より引用